この度、極セカイ研究所は、京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAで開催される「国際的非暴力展#SUM_MER_2025」に出展いたします。
今回私どもは、国際的非暴力展実行委員会にお誘いいただき、「批評班」として会場内へ極セカイ研究所を一時的に移設します。会期中7月の日曜日には、所員である黒嵜想と沢田が現地で編集会議や座談会を行う予定です。8月には会場を飛び出してのスペシャルなイベントも予定しています。

展覧会概要
国際的非暴力展#SUM_MER_2025
ロシアによるウクライナ侵攻以降、アーティストが主導するかたちで、国際的非暴力展を過去3回開催しています。前回の#W_INTER_2024は京都市立芸術大学内の教室や食堂などで開催し、学生や京都在住のアーティストなど80人ほどが参加。ワークショップやパフォーマンス、搬入や搬出の協働、新聞づくりなどを通して、さまざまな対話と交流が生まれました。国際的非暴力展実行委員会はアーティスト、キュレーターを含む市民による国際的な非暴力展を継続開催するために結成されました。#SUM_MER_2025でも作品展示、講演会、ワークショップなどの様々なイベントを開催します。(主催者)
会場|京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
会期|2025年7月5日(土)–2025年8月3日(日)
開館時間|10:00 –18:00
休館日|月曜日
7月21日(月・祝)は開館、翌日の7月22日(火)を休館
入場料|無料
主催|京都市立芸術大学(2025年度京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA申請展)
企画|国際的非暴力展実行委員会
ロゴデザイン|大槻智央
広報|室津日向子
協力|AIR大原、一般社団法人HAPS、極セカイ研究所、布団祭
https://gallery.kcua.ac.jp/archives/2025/12587/
批評班による展示・イベント『クリティカル・パス』

極セカイ研究所は、批評家・黒嵜想とアートマネージャーの沢田朔による、極域にまつわる批評活動を行うための私設研究所である。
極域、特に南極は、世界各国の科学調査や領土主張などが絡み合いつつ、擬似的な「世界平和」が実現している、地球上で数少ないエリアである。我々は、そうした極域における人類の文化的実践を調査・批評することを通じ、新たな「平和」と「文化」の実相を明らかにすることを目指している。
今回の国際的非暴力展#SUM_MER_2025では、極セカイ研究所の活動を擬似的に体験することで、その根底にある批評的コンセプトを理解してもらい、非暴力という本展のテーマを「平和」という視点から考え直す機会を作りたい。
本展では、会場内に極セカイ研究所の環境を移設する。
極セカイ研究所のインテリアを会場に持ち込み、我々のこれまでの活動内容やその目的などをまとめて掲示(デザイン:中家寿之)する。また、普段からブレストに使用しているホワイトボードや、極域にまつわるコレクションを形成している、極セカイ研究所が所蔵するアート作品なども設置する。会期中、黒嵜想は批評「極論(N)」を執筆し、会期後半にはハンドアウトで配布することを予定している。
観客は、ポスターや資料、ホワイトボードに残された会議の痕跡などを眺めながら、ソファに座って極セカイ研究所が発行した雑誌「P2P」や、その寄稿者の著書・関連資料などを閲覧し、批評や極域についての知識を深めることができる。
展示に加えて、会期中の週末(日曜日を想定)に、「P2P」1号の公開編集会議・コンテンツ座談会の公開収録を行う。「P2P」は極セカイ研究所が発行する雑誌であり、2023年にプロトタイプである0号を発行した。次号は「氷象文化(仮)」をテーマとして発行の予定である。その内容について所員やゲストが話し合いを行い、その内容はAIによる自動文字起こしを通じて鑑賞者にも共有される。
開催場所:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(各回)
言語:日本語 (他言語への通訳なし)
極セカイ研究所 「極セカイ研究所編集会議①」
日時:2025年7月6日(日)16:00–18:00 自己紹介/極セカイ研究所について/P2P0号について
「極セカイ研究所編集会議②」
日時:2025年7月13日(日)16:00–18:00 国際的非暴力展#SUM_MER_2025を見て/極論Nについて
「極セカイ研究所編集会議③」
日時:2025年7月20日(日)16:00–18:00 座談会公開収録①極地の芸術文化について
「極セカイ研究所編集会議④」
日時:2025年7月27日(日)17:00–18:00 座談会公開収録②極地の芸術文化について/締め/シンポジウム予告
映画《古典元素の探究者たち》上映・シンポジウム
アリョーナ・イワノワ=ヨハンソンによる映画《古典元素の探究者たち(2019)》は、2017年に開催された「南極ビエンナーレ」の記録映画である。極セカイ研究所は、「P2P」0号において、「南極ビエンナーレ」のコミッショナーであるアーティスト、アレクサンドル・ポノマリョフのインタビューを敢行し、氏から《古典元素の探究者たち》の上映を託された。50分に満たない短編にもかかわらず、局地での芸術祭という極めて珍しい実践の貴重な記録であり、映像作品としても魅力を放っているが、本邦での鑑賞機会は限られている。他国籍の多様な人材が一隻の船に乗り合い、世界で唯一の「どの国でもない」土地で敢行した試みは、今なお私たちに平和と芸術の関係について、重要な示唆を与えている。
本シンポジウムでは、南極ビエンナーレの内容と意義について、映像の上映を交えて語りあう。
日時|2025年8月2日(土)15:30-18:00
会場|HAPS HOUSE(京都市南区東九条東山王町1)
主催|国際的非暴力展実行委員会
共催|極セカイ研究所